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スイートポテトづくりから、原材料の安納芋づくりへ「安納芋」

2021.05.26

■スイートポテトづくりから、原材料の安納芋づくりへ■

安納芋の故郷・種子島にある榎元農園では、「安心」・「安全」・「種子島」にこだわった安納芋を栽培しています。1996年に夫婦2人で始めたお菓子づくりの工房「ひょうたん島」でつくるスイートポテトの原料として栽培をはじめ、今では完全直農園栽培を目指すほど本格的な農園となりました。

 

ひょうたん島のスイーツはレシピが特別なわけではなく、「種子島の素材」にとことんこだわり、真心込めて丁寧につくりあげています。その大切な要素である安納芋は、自然栽培で手間をかけ長期保存を可能とする貯蔵環境にこだわる。「種子島の自然の恵みをお借りして、種子島の心をおすそわけする」夫婦のこだわりが詰まっています。

 

■ミネラルたっぷりの土壌で生き生きと育つ安納芋■

種子島の安納地区で自家用に栽培され始めた芋が、安納芋のルーツです。それらの芋から鹿児島県農業試験場が「色・味・形」の優れたものを開発し、平成10年に品種登録されたものが、現在の安納芋です。種子島の暖かい気候や、海に囲まれた離島のためミネラル豊富で水はけの良い土壌は、安納芋栽培に最適。一番の特徴でもある強い甘みは、この環境だからこそ生まれるものです。

 

榎元農園では、品種選抜と呼ばれる安納芋の生長点(細胞分裂の活発な部分)を取り出して培養したバイオ苗を使用しているため、さつまいも病原ウイルスに強く、美味しい安納芋が育ちます。有機栽培にこだわるため、雑草など自然との戦いはありますが、手間を惜しまず愛情を込めて丁寧に育てることで、安心・安全な安納芋を育てています。

 

■榎元農園は、信頼の安納いもブランド推進本部加盟!■

榎元農園の自慢は、こだわりの大型冷蔵貯蔵庫です。安納芋は収穫した後に適正な環境で保管することで甘みが増すため、適した室温・湿度を保ちながら貯蔵管理しています。また、安納芋の長期保存を可能にするキュアリング(室温0℃の環境で一時保存することで、表面の傷が修復され、腐敗菌の侵入や水分の蒸発を防ぐこと)用の施設も完備しており、またオゾン発生装置を入れることで、空気中の細菌を殺し、より良い状態での長期保存が可能となりました。

 

これらの生産背景が認められ、現在榎元農園は安納いもブランド推進本部に加盟しています。加盟のためには、鹿児島県の農林水産物認証(K―G A P)を取得する必要があり、「生産・栽培基準に適合した生産管理がなされているか」・「適正に管理された施設で集出荷作業が行われているか」といった、厳しい審査への合格が必要です。これらの審査を超えて出荷される安納芋は、糖度検査にも合格する自信の品質です。

 

 

■食品ロス問題解決への第一歩。安納芋のすべてを有効活用する工夫■

私たちは、安納芋を通じてたくさんの縁に恵まれてきました。ともに働いてくれるスタッフたち、スイーツづくりに欠かせない地元素材を売ってくださる皆様、そしてお客様。人と人との信頼関係のもとで、お互いに「おかげさま」と言い合える関係を、嬉しく思っています。一方で、安納芋に限らずですが、農作物は流通のサイズ・形などの規格が厳しく、同じ手間をかけたものであっても規格外では売れなくなったり、価値が下がったりしてしまう現状を、悲しく思います。

 

農作物も、人と一緒。多様性を認めて欲しい。それが、私たち生産者の願いです。榎元農園では、安納芋のすべてを有効活用し、食品ロス問題に取り組んでいます。お菓子づくりを終えた後も、残渣(ざんさ)と呼ばれる残りカスは、鳥の餌にしています。この鳥が産んだ卵はお菓子の材料に、そして、鳥のフンは畑の肥料に。種子島を愛するからこそ、自然にも人間にも優しい工夫を続けていきたいと思っています。

 

榎元農園

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