先生・シェフ紹介
©2021 FURIFURU
香ばしい風味で一段とおいしさUP!安納芋のスープ 木下先生
【目次】
- 1:今回のもったいない食材は「安納芋」
- 2:ローストしたサツマイモがおいしさのアクセントに
- 3:形が不揃いでもこんなにおいしい!まずは、知ってもらうことから
1:今回のもったいない食材は
「安納芋」
教えてくれたのは
服部栄養専門学校の講師
木下雄介 先生
種子島の特産品として知られる安納芋は、なめらかでクリーミーな口当たりが特徴のさつまいもの一種です。驚きの甘さとねっとりとした食感が魅力の安納芋を主役にしたスープのアイデアを西洋料理のスペシャリスト・木下先生に教えていただきました。
2:ローストしたサツマイモが
おいしさのアクセントに
お芋自体の甘みと香りを引き出してひとつのスープの中に凝縮
余計な手を加えずに、シンプルなスープをつくりたいと思って生まれたのがこちらです。最初は玉ねぎと安納芋を炒めて、フランス料理のポタージュにも使われるチキンブイヨンでつくってみました。これだけでも十分おいしかったのですが、何かもうひと工夫できないかと思ってオーブンでローストしたサツマイモを加えてみたんです。
ローストしたものとブイヨン、生クリームを合わせてつくったところ、もともとが非常に甘いお芋だったので甘くなりすぎてしまった。そこで、はじめにつくったベースに、ローストした香ばしいお芋のベースを少量加え、ミキサーにかけてスープにしてみました。そうすると、お芋本来の甘みや香りが際立つ、とてもおいしいスープができたんです。
3:形が不揃いでもこんなにおいしい!
まずは、知ってもらうことから
今回の企画を通して、フランスに行ったときのことを思い出しました。野菜の規格の大きさやバラバラさを見て「なんだこれ!?」と思ったものの、実際に調理してみると味の濃さや香り、おいしさに驚かされたんです。
日本の場合、どの野菜も形が整っているし、色がきれい。ちょっとでも傷があったり、曲がっていたりすると外されてしまうんです。それはそれですばらしいことだけれども、本当はおいしい野菜が捨てられてしまうのはもったいないですよね。規格外の野菜であっても、味はおいしいということを知ってもらえると、フードロスの問題はなくなっていくのかなと思っています。
【POINT】
根菜類は茹でたり蒸したりすると、余分な水分が入って味が弱くなってしまいます。ローストして水分を飛ばしてあげると、味がギュッと凝縮されますよ。
服部栄養専門学校 講師
木下雄介 先生
調理師科を卒業後、服部学園へ入職。アシスタントを経て、西洋料理の調理実習で学生の指導にあたる。授業以外でも調理ハイテクにカル経営学科の担任や、TVドラマ、映画の料理協力をはじめ、フランス、スペインなど海外の一流シェフの料理講習会をサポートするなど幅広い業務を担当。
こだわりのスープはこちら