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小泉農水大臣の「完全無農薬」発言、何が問題なのか?
小泉農水大臣の「完全無農薬」発言、何が問題なのか?
2025年6月、小泉進次郎農林水産大臣がX(旧Twitter)に投稿した「今年の田んぼは、完全無農薬でやってます!」という言葉が炎上しています。
なぜ問題視されたのか、ポイントは主に3つです。
1. 「無農薬」表示は農水省のガイドラインで制限されている
農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」では、「無農薬」「完全無農薬」といった表現は、消費者に誤解を与える恐れがあるため使用を避けるよう定められています。
例え事実として農薬を使っていなくても、周囲の飛散や土壌残留など、完全にゼロとは言い切れないためです。
2. 景品表示法(優良誤認表示)に抵触する可能性
「完全無農薬」と記載することで、実際よりも優良であると消費者に誤認させる恐れがあります。これは景品表示法に違反するおそれがあり、過去にはネット通販の農産物で同様の表示が問題になった事例もあります。
3. SNS投稿でもNGになることがある
「ツイートだから自由」では済まされません。農水省のガイドラインでは、POPやパンフレットだけでなく、WebサイトやSNSも「表示」とみなされます。
特に農業者や販売者、公職者の発信は「広報」として扱われやすく、投稿内容も表示ルールの対象となります。
たとえば「農薬を使用せず育てました」と書くことすら、文脈によっては問題となる場合があります。ましてや「完全無農薬」と断定する表現は避けるべきとされています。
では、どう表現すればよかったのか?
「農薬の使用をできるだけ控えて育てています」
「栽培期間中は農薬を使用していません」
「慣行栽培に比べて農薬・化学肥料を半分以下に抑えています」
こういった表現であれば、定義が明確であり、ルールに則った発信になります。
今回の問題は、「たった一言」で炎上したことではなく、「その一言が制度的にアウトだった」こと。そしてそれを発したのが農政のトップであったことにあります。
農業や食に関わる人たちが誤った表現で信頼を失わないために、制度と表現のルールは知っておくべきものになってきました。
「無農薬」という言葉の力が強いからこそ、慎重に、正確に使っていきたいですね。
おそらくフリフルでも無農薬 って過去に使ったことはあると思うので引き続き気をつけていきます。